前回「Palera1nでRootless脱獄する方法」をご紹介させていただきましたので、続いて…「Palen1x」を使用してRootless脱獄する方法をご紹介。
Palen1xとは、簡単に言ってしまえばWindows機で使えるPalera1nですので、MacやLinux環境をお持ちでない…という場合はPalen1xをご使用いただくと便利です。
Palen1x
「Palera1n」や、それをWindows機でも使用できるようにした「Palen1x」では、「Rootful」と「Rootless」の二種類の脱獄が行えるようになっています。
ですが、現在はRootless脱獄が主流であり、今後Palera1n / Palen1xではRootless脱獄のみをサポートすると予告されている状態です。
特別な事情がない限り、現状ではRootless脱獄の方が使用する上でもメリットが多かったりするため、オススメとなっています。
使用可能なデバイス&バージョン
A11以下のデバイス(iPhone XやiPhone 8以前のデバイス)であり、iOS 15.x / 16.xで使用可能となります。
また、iPadOS 17.xにも対応となっていますが、執筆時点ではiPadOS 17.2以降に未対応状態であるため、アップデート等で対応されるまではご注意ください。
*A11デバイスではパスコードを有効にすることが出来ず、更にiOS 16.xでは一度でもパスコードを有効にしたことがある場合は脱獄前に「リセット」が必要となります。
① Palen1xをUSBメモリに書き込む
*Palen1xをUSBメモリに書き込む作業は初回のみ必要であり、次回以降は書き込みを行ったUSBメモリから繰り返しPalen1xを起動することが可能です。
Palen1xは「IntelもしくはAMDの、32bitか64bitのCPUを搭載したパソコン」で使用することが可能で、あとはUSBメモリさえあれば使用可能となっています(一部AMD環境ではうまく動作しない場合があります)。
USBメモリの容量は少ないものでも大丈夫で、手持ちのものがあればそちらをご使用ください。
手持ちがない場合、今どきは少ない物の方が高く付くので…1000円前後で買える32GBや64GB辺りのUSBメモリを買っておくのがイイのかなと思います。
1.1 必要なファイルをダウンロード
以下よりPalen1xのイメージファイル、それをUSBメモリへ書き込むためのソフト(Rufus)をダウンロードしておきましょう。
- 【Palen1x本体】:c-palen1x-v1.1.2-amd64.iso
- 【Rufus】:rufus-4.3p.exe(最新版はRufusよりダウンロードできます)
1.2 USBメモリへの書き込み設定
Rufusを起動し「デバイス」よりPalen1xを書き込むUSBメモリを選択(間違えないようにご注意を!!)。
続いて「ブートの種類」の右側「選択」より、前項でダウンロードしたPalen1xのISOファイルを選択してください。
その他の部分は初期設定のままでも大丈夫です。気になる部分は以下画像を参考にしてみてください。
設定が完了しましたら、最下部「スタート」をクリックして書き込み作業を開始しましょう。
1.3 DDイメージで書き込む & 開始
書き込みを実行するといくつかポップアップが出現しますので、それぞれ選択していきます。
「ISOHybridイメージの検出」というポップアップが出現しましたら、【DD イメージで書き込む】を選択してから、【OK】を選択。
初期状態では「ISO イメージで書き込む」が選択されていますが、こちらではうまく動作しませんので、ご注意ください。
1.4 完了!
環境にもよりますが、それほど時間がかからず(数分程度)に書き込み作業が完了するはずです。
完了すると画面下部が背景緑色の「準備完了」という表示に変わりますので、それまではUSBメモリを抜いたりせず、じっとお待ち下さい。
② Palen1xを起動する
作成したUSBメモリからPalen1xを起動していきます。
ただ、USBメモリからブートする方法はPCにより異なってくるため、どうしてもわからない場合は「PC名(or マザーボード名) & Boot Menu」などで検索するとBoot Menuの呼び出し方法が出てくるかと思います。
2.1 Boot Menu
作成したUSBメモリをPCに挿入している状態でPCを再起動し、Boot MenuからUSBメモリよりブートを行います。
USBメモリより起動する場合、Boot Menuなどを呼び出し、そちらからUSBメモリを選択する…のが一般的な流れです。
PCによっては起動直後の画面内に「F12 = Boot Menu」などの表記があり、この表記の場合はそのタイミングで「F12」キーを押すことでBoot Menuが表示されます。
ただし、PCメーカー等により「F11」や「F9」などキーが異なるため、注意が必要です。ちなみに、私のPCでは「<F11> to run boot menu」とあるので、「F11」キーを押す…ということになります。
こちらの名称もPCやUSBメモリで異なるため、「USB〇〇」などの名称を頼りに探すとイイかなと思います。
この場合はBIOSを起動し、そこからBoot優先順を変更してあげましょう。USB Diskなどを優先1位にしておく必要があります。
分からない場合は「PCメーカー名&BIOS」などで検索すると、解説が出てくるはずです。
2.2 Palera1nを起動
USBメモリからのブートに成功すると、以下のような画面が現れます。
今回はPalera1nを使用したいので「1 palera1n」を矢印キーで選択した状態でエンターキーをおし、Palera1nを起動しましょう。
③ Rootless脱獄を行う
前項まででPalera1n(Palen1x)の起動が行えましたので、Rootless脱獄作業を行なっていきます。
ちなみに、Palera1n上の操作は「矢印キーで移動」、「スペースキーでチェックを付ける・外す」、「エンターキーで決定」となっています。
3.0 「信頼」作業を行う
Palera1nが起動している状態でデバイスをPCとUSB接続すると、デバイス側に「このPCを信頼するか?」という選択肢が出現しますので、「信頼」を選択しておいてください。
これを行っていないとPalera1nの実行でエラーが発生してしまいます。
3.1 Jailbreak Typeを確認!
まずは画面左上「Jailbreak Type」が「Rootless」になっているかを確認してください。
もし、こちらが「Rootful」となっていた場合、「Rootless」に切り替えてあげる必要があります。『3 Switch』を選択し、『Rootless』にて切り替えてあげましょう。
3.2 実行
Jailbreak Typeが「Rootless」となっているのを確認し、『Start』にてエンターを押して実行します。
注意点
この際、以下画像のように「Error: Could not connect to lockdown」とエラーが出てしまった場合は、手順3.0の「信頼」作業をやり忘れている可能性があります。
デバイス側に以下画像のように「信頼しますか?」というポップアップが出現していますので、「信頼」を選択してあげましょう。
その後、Palera1n画面側で「Control + Cキー」を押して一旦画面を戻り、オプションを確認した上で再度「Start」から実行してください。
3.3 DFUモードへ入れる
Palera1nを実行すると、デバイスが自動的にリカバリーモードへ入り、以下画像の様に「Press Enter when ready for DFU mode」という表記で一時停止します。
エンターキーを押すとDFUモードへ入るための指示が表示されますので、それに従いデバイスを手動でDFUモードへいれましょう。
ちなみに最初の「Get ready(4秒)」は準備時間ですので、焦らずその後の指示に従ってください。
3.4 デバイスが起動するのを待つ
正常にDFUモードへ入れますと、ズラズラっと進行し、あとは待っていれば…「Press enter to quit」と表示され、Palera1n側での作業は完了です。
エンターキーを押し、前の画面へ戻ってあげましょう。
3.5 Sileoなどをインストール
デバイスが再起動すると、ホーム画面に「palera1n」というアプリが出現する(少し時間かかる場合あり)ので、こちらを起動しましょう。
ちなみに、数分経ってもpalera1nアプリがホーム画面へ出現しない場合、もう一度Palera1nでRootless脱獄作業をやり直すことで出現する場合が多いです。
また、この際Wi-Fiなどのネットワークに接続されている必要があるので、ご注意ください。
3.6 パスワードを設定
インストール作業が完了すると「パスワードを設定する」というポップアップが出現します。
こちらは「sudo」コマンドなど、各種コマンドに使用するパスワードを設定する物になっていますので、お好きなパスワードを入力し「セット」をタップしましょう。
ちなみに、パスワードは英数字5文字以上が必須なっています。
3.7 完了!
最後に「インストール完了」とポップアップが出現し、「閉じる」をタップしてホーム画面へ戻れば…全ての作業が完了となります。
ホーム画面にSileoやZebraが追加されていますので、脱獄アプリ等をインストールして遊びましょう…!
Palen1xを終了するには?
ちなみに、Palen1x自体を終了するにはPalera1nのメニュー画面から「Exit」を選択し、更にPalen1xのメニュー画面から「Reboot(PCを再起動)」もしくは「Shut down(PCの電源を切る」を選択することで終了が可能です。
BIOSにてブートの優先順位を変更していない場合は、通常はWindowsが起動するようになっているはずです。
優先順位を変更している場合、USBメモリが挿しっぱなしだと再度Palen1xが起動してしまうので、USBメモリを抜くか、優先順位を元に戻してあげましょう。
デバイス再起動後は
また、Palera1n / Palen1xでの脱獄は「デバイスを再起動すると、脱獄環境が解除され入獄状態となる」物になっています。
脱獄環境へ戻るには本記事「手順2.1〜3.4」を実行するだけで大丈夫です。もちろん、脱獄アプリなどのインストール状況は維持されるので、ご安心ください。
Palen1xを書き込んだUSBメモリさえそのままにしておけば、サクッと再実行もできますので安心です。
〆
Palen1xは最初の準備が少し複雑(USBメモリに書き込んだり…など)ではあるのですが、作業内容を理解してしまえばサクサクと使用できるようになるかなと思います。
特にPalen1x用にUSBメモリを一つ用意してしまえばその後は繰り返し使えますので、非常に楽ちんだったりもします。
コメント
スレチで申し訳ありませんが、dopamine環境にて、ここ最近再起動後に、脱獄環境に復帰しようとすると、Watchdog timeoutというアラートが出て、tweak injectionがオフの状態で起動されます。また、復帰するまでに、3分ほどかかります(リンゴマーク点灯が3分)。
最近新たに脱獄アプリをインストールやアップデートをしてはいません。何か原因があるのでしょうか?
基本tweak系だと思うけどなぁ
インストールされているSubstrate系の脱獄アプリ(Tweak)が原因となっている可能性が高いかな…と思います。
iCleaner Proなどでインストールされている脱獄アプリをオフにし、改善されないか?というのを試してみるとイイかもしれません
お二方、ありがとうございます。
関係あるかはわかりませんが、iCloudがパンパンになっていたので、、iCloudの空き容量を確保したところ、以前の挙動に戻りました。
ありがとうございます。
iphone8/ios16.7.5でも実行可能でしたが環境によっては不具合や文鎮化等のリスクはあるかと思われますのでそのリスクを許容出来るのなら一応脱獄可能です。
一応ご報告まで。m(*_ _)m
『3 Switch』を選択し、『Rootful』にて切り替えてあげましょう。
はっ…すごい…大事な部分を…間違えてしまって…(´;・;ω;・)なおしましたっ…!ありがとうございますっ…!!
ルート権限のないrootless脱獄はrootfullよりも安全なのですか?またitunesから強制初期化した場合ウイルスなどに感染していても消すことは出来ますか?分かれば教えて欲しいですm(_ _)m
実情とは関係なくどうか…と言われれば、仰られている通りRootfulよりRootlessの方が安全ともいえます。
ただし、実際には何を目的としているかで変わってくるので、それほど大きな違いはなく、シンプルによく分からない&怪しいリポジトリを使用しない…が一番かなと思います。
また、iTunesからiOSの復元を行えば全てが初期化されます。
ありがとうございます!
ペールレインでrootless脱獄時はcarbridgeが正常に動くのに、
最新版のmeow2で単体脱獄時は絶対セーフモードになって動かないいいサンタさん助けて下さい( ; ; )
6s 15.8 rootless脱獄です。
sileoにリポジトリを追加できません。
rootless脱獄の仕様でしょうか?
Error:Didn’t find architectures
DPKGArchitecture( )
Rootless脱獄ではRootlessに対応したリポジトリのみが登録できるようになっています(厳密には登録は可能ですがエラーが出ます)。
登録しようとされているリポジトリはRootless対応となっていますでしょうか?
Rootless対応にはなっておらず、Rootfullで再脱獄すると登録できました。
ありがとうございました。
iPhone7 ios15.7で成功しました。
成功後、パスコードロックってかけていいんでしょうか?
初めまして。
iPhone8plus(iOS16.7.7、palera1x1.1.20)rootless脱獄を試みてますが、DFUモード後にPCの画面ではBooting Kernel…で止まってしまいます。何故でしょうか?
僕も同じくbooting kernel で止まってしまいます、
なぜここで止まるかわかりません。
お教えお願いしたいです^_^
上の方おふたりと同じくです
何か解決策はあるのでしょうか
booting kernel…で止まった場合、デバイス側はそのままに、Ctrl + CキーでPalen1xを終了させ、再度脱獄作業を実行してみてください。
iPhonexs(iOS16.2)DFUモード画面でフリーズしてしまいました。
DFUモードのリセットを試みたのですがリセットできません。
リセット方法をお教えお願いいたします。
まず、Palera1n / Palen1xはA11以下のデバイス限定ですので、iPhone XSではご使用いただけません。
もし使用してDFUモードに入ってしまった…という場合は、一般的なDFUモードから抜ける手順(強制デバイス電源オフ後、電源オン)で抜けることが可能です。
質問失礼します。
DFUモードに入れた直後
Uaf race heuristic strategy failed
とずっと出てしまい、処理が終わらず、iphoneの画面が黒いまま動かなくなってしまいました。
DFUモードですらないので戻り方も分からず作業が止まってしまいました。。
もし知っておられたら解決策など教えていただきたいです。
ご使用のPCはAMD CPUが使用されていますでしょうか?
そうですね。ryzen5の環境です。
Ryzen環境で稀に発生する問題となっているようで、これ!と言う解決策がまだなかったりします。
もしIntel CPUの別PCをお持ちであれば、そちらで試してみると改善される場合がほとんどです。