TrollStore環境であれば「RootHide Bootstrap」と「Serotonin」などを利用することで、脱獄ではないが脱獄アプリを利用できるという環境を作ることが可能です。
ただiOS 17.0などは対象外となっており、TrollStore自体はインストールできるけど…脱獄アプリの動作は行えないという状況でした。
ところが…今回「NathanLR v2.0」がリリースされ、こちらを使うことで「iOS 17.0でも脱獄アプリの動作が可能」となりました。
一般的な脱獄とは異なり制限などは存在する「Not/Semi-Jailbreak」と呼ばれる状態ですが、対象バージョンで維持していた方には嬉しい報告かなと!
NathanLR v2.0
Since it's my birthday… I have a little something to give out to you guys as well…
NathanLR now supports 16.5.1-16.7 RC, and 17.0
Get it at https://t.co/KwGq1Bq1e9
(For existing users, SystemFiles update will reboot fully, just rejailbreak after)
(source will come soon)— Nathan (@dedbeddedbed) December 5, 2025
今回Nathan氏よりNathanLR v2.0として、「iOS 16.5.1〜16.7 RC / iOS 17.0」に対応したいわゆるSemi-Jailbreakがリリースされています。
こちらを使用することで、iOS 17.0などの対応環境であれば「脱獄アプリを利用可能」になっています。


Semi-Jailbreakとは
一昔前のSemi-Jailbreakとは少し異なり、今回のNathanLRで言われるSemi-Jailbreakとは「RootHide Bootstrap」と「Serotonin」を組み合わせた環境をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。
一般的な脱獄環境とは異なり、脱獄アプリをインストールしても各アプリに対する効力はまだ発揮されておらず、NathanLRアプリからアプリに対して「Injection(有効化みたいなもの)」を行い、初めてアプリ内に対して脱獄アプリが動作するというようなイメージです。
そのため、すべての脱獄アプリが動作するというわけではなく、ほとんどは動作(iOSバージョンなどに対応していれば)するものの、一部脱獄アプリはどうやっても動作しないという場合がある点には注意が必要です。
ある程度は動作する
試したり報告を見ている限りでは、それなりに動作する脱獄アプリも多い様子。
実際「SnowBoard」にてテーマ変更は動作し、アプリアイコンを好きなものへ変更することは可能。
また、Injectionを有効にしさえすれば「YouSpeed」や「YouChooseQuality」など…YouTubeといったサード製アプリに対する脱獄アプリも動作可能でした。


通常の脱獄環境に比べると一手間だけ追加され、動作しない脱獄アプリも一部ある…などの制限は存在するものの、やりたい事によってはこちらでも十分満足できる!という方も多いかもしれません。
対応環境
NathanLRが対応している環境は以下の通り。また、便宜上iOSと記載していますが、もちろん同じバージョンのiPadOSでも動作可能となります。
- iOS 16.5.1
- iOS 16.6
- iOS 16.6.1
- iOS 16.7 RC (正式版には非対応)
- iOS 17.0
NathanLRの使用方法
NathanLRはTrollStoreでインストールする必要があるため、先にTrollStoreをインストールしておきましょう。
既にインストールされている場合はそのまま続行し、まだの方は以下の手順でインストールが必要になります。
- iOS 16.6.1まで:TrollInstallerX
- iOS 16.7 RC / iOS 17.0:TrollRestore
また、RootHide Bootstrap / Serotoninを使用している環境の場合、Bootstrap環境の削除を先に行っておくようにしてください。
① NathanLRをインストール
NathanLRのIPAファイル(.tipa)は【nathanlr.tipa】からダウンロードが可能なので、TrollStore経由でインストールを行なってあげましょう。
または、以下ボタンよりTrollStoreにて直接IPAファイルのダウンロード&インストールも行えます。

② NathanLRを実行(Bootstrap)
インストールされたNathanLRアプリをホーム画面から起動し、画面下部にある【Bootstrap】ボタンをタップ。すると作業が開始されます。


少し待つと「Set Password」としてmobileユーザーのパスワード設定画面になります。SSH接続などでも使用するパスワードなので、「Password」と「Repeat Password(もう一度入力)」欄に好みのパスワードを入力し【Set】にて続行しましょう。
*この画面まで到達できずにデバイスが再起動してしまうなどが発生する場合、実行が失敗となっていますので、正常にデバイスを再起動させた後に改めてNathanLRを実行し直してください。

③ NathanLRを実行(Jailbreak)
Bootstrap作業が完了するとボタンが【Jailbreak】表記に変化しますので、さらにこちらをタップ。これで脱獄に関連した作業が実行されます。

Jailbreak作業が正常に完了すると、自動的にリスプリングが行われ、ホーム画面に「Sileo」が追加されます。
デバイス環境によりSileoが表示されるまで1分ほどかかる場合もあるので、この点は注意が必要です。
*リスプリングではなくデバイスが再起動してしまったり、アプリが強制終了してしまう場合は実行が失敗となっています。正常にデバイスを再起動させた後に改めてNathanLRを実行し直してください。

Sileoから脱獄アプリをインストール可能
これでSileoが使用できるようになっており、通常の脱獄環境と同じようにこちらから脱獄アプリがインストールできるようになっています。
また、Sileoの使い方自体は通常の脱獄環境と同じなので、リポジトリの追加なども可能です。
ちなみに、初回起動時には「Download Analytics」として開発者さんと匿名の使用状況を共有していいか?との表示が出てくるので、許可(Accept)か拒否(Deny)を選択してあげましょう。


アプリへの脱獄アプリ適用について
通常の脱獄と大きく異なる点として、初期状態では「ホーム画面など一部にしか脱獄アプリが適用されず、各アプリには適用されていない」という点があります。
各アプリに脱獄アプリを適用するには、アプリに対して「Inject」を有効にしてあげる必要があります。
NathanLRアプリの「Options/Credits」タブから「App Injection」項目を開き、操作を行うだけ。
アプリリストから適用したいアプリをタップし、ポップアップから「Yes」を選択してあげましょう。


Injectを無効化したい(脱獄アプリの適用を無効化したい)場合も同様の操作で、アプリリストから有効化されているアプリを選択しポップアップから「Yes」を選択するだけ。
ちなみにこちらから「Reinject」も実行可能で、うまく適用されなかった場合などは試してみるといいかもしれません。
その他の電源操作などもこちらから
また、Optionsタブからは以下の電源操作に加え「Toggle Jailreak Hide State」も使用可能で、こちらを実行すると脱獄対策の回避(脱獄環境を隠す)が実行可能です。
- Reboot Userspace:ユーザースペースの再起動
- Reboot:デバイスの再起動
- Respring:リスプリングを実行
- Enter Safe Mode:セーフモード
- UICache:UICacheを実行

デバイス再起動後はNathanLRで脱獄環境へ戻る
Dopamineなどの脱獄と同様に、デバイスを再起動すると脱獄環境が解除された状態となります。
脱獄アプリが動作する環境へ戻るにはNathanLRアプリを起動し「Jailbreak」ボタンをタップしてあげましょう。

NathanLR環境の削除方法
NathanLR環境を削除(アンインストール)する方法も標準で用意されています。
デバイスを再起動した状態(脱獄環境が解除された状態)からNathanLRアプリを起動し「Options/Credits」タブを開きます。
こちらに「Remove Jailbreak」項目があるので、こちらをタップ。
ポップアップから「Yes」を選択するだけでNathanLR環境が削除されます。削除後はBootstrap作業からやり直しも可能。


〆
ということで、iOS 17.0などのSerotonin等が使用できない環境でも脱獄アプリの動作が可能となりました。
いわゆる一般的な脱獄環境とは異なるものの、こちらでも十分に満足だ!という方もいらっしゃるかなと思います。
そのため、対象バージョンで維持していたという方は、試してみると楽しいかも…!!



コメント
ここの記事にあるEneko動きました。
SquidGesture, UnderDock, FloatingDockXVIも確認