カスタマイズツールといえば「misakaX」などがありますが、同様の手法&カスタマイズ機能を備えた【Nugget】のv4.0がリリースされています。
基本的に「SparseRestore」手法が使用されているため対策によりiOS 17.0〜17.7 / 18.0〜18.1 Beta 4までの対応となっていますが、シャッター音無音化やApple Intelligence有効化など一部カスタマイズ項目についてはiOS 18.1でも使用可能!
Nugget
今回リリースされた【Nugget 4.0】は、PCから実行するツールとなっており、「misakaX」と同様にバックアップから復元を使用した手法が利用されています。
Windows版、Mac版の両方が用意されていますので、PCをお持ちの方であれば実行できるかなと。
対応バージョン&できること
Nugget 4.0では「iOS 17.0〜17.7 / 18.0〜18.1 Beta 4」に完全対応しており、更に「iOS 17.7.1 / iOS 18.1 Beta 5〜18.1 正式版」でも一部カスタマイズが動作します。
注意点として、カスタマイズ項目は「有効化が出来る」という物であり、有効化出来ても実際に機能が使えるかは環境等により様々なので、この点は注意が必要です。
【Mobile Gestalt】
- Device Subtype Preset:ホームバージェスチャー有効化 / Dynamic Island有効化
- Fix RDAR (modifies resolution):解像度変更による赤バーを修正
- Change Device Model Name:デバイス名を好きなテキストに変更
- Enable Boot Chime:電源オン/オフのサウンドを有効化
- Enable Charge Limit:充電制限の有効化
- Enable Tap to Wake (for iPhone SEs):タップしてスリープ解除を有効化
- Disable Wallpaper Parallax:壁紙の示唆効果を無効化
- Enable Stage Manager Supported:Stage Managerを有効化
- Enable Medusa (iPad Multitasking):iPad向けマルチタスク機能を有効化
- Allow iPad Apps on iPhone:iPad向けアプリをiPhoneにインストールできるように
- Disable Region Restrictions (ie. Shutter Sound):シャッター音を無音化可能に
- Enable Find My Friends:友達を探すを有効化
- Enable Apple Pencil Settings Tab:Apple Pencil設定項目を表示
- Enable Action Button Settings Tab:アクションボタン設定項目を表示
- Set as Apple Internal Install:Metal HUDを全状況で表示するように
- Enable Internal Storage:Internal storageを有効化
- Enable Collision SOS:衝突SOSを有効化
- Enable Always On Display:常に画面オン設定を有効化
- Custom Gestalt Keys:カスタムキーを追加(危険なので使用は非推奨)
【Eligibility】
- Enable Apple Intelligence (for Unsupported Devices):Apple Intelligenceを有効化
- Language Code:言語を設定(例:en)
- Spoofed Deviced Model:AIモデルのダウンロードにはデバイスモデルを偽装する必要があるため、こちらから選択。ただし、FaceIDが使用できなくなる場合があるので、AIモデルダウンロード後はNoneを選択して再適用しましょう
【Springboard Options】
- Lock Screen Footnote Text:ロック画面下部に好きなテキストを表示
- DIsable Lock After Respring:リスプリング後のロックを無効に
- Disable Screen Dimming While Charging:充電中の自動スリープを無効化
- Disable Low Battery Alerts:バッテリー残量アラートを無効化
- Disable Breadcrumbs:〇〇へ戻るボタンを無効化
- Show Supervision Text on Lock Screen:監視モードテキストを表示
- Enable AirPlay support for Stage Manager:AirPlay経由でのStage Managerを有効化
【Internal Options】
- Show Build Version in Status Bar:iOSビルドナンバーをステータスバーに表示
- Force Right-to-Left Layout:右から左書きレイアウトに強制
- Enable Metal HUD Debug:Metal HUD UI設定を有効化
- Enable Accessory Developer:アクセサリー開発項目を有効化
- Enable iMessage Debugging:iMessageデバッグを有効化
- Enable Continuity Debugging:Continuityデバッグを有効化
- Enable FaceTime Debugging:FaceTimeデバッグを有効化
- Enable App Store Debug Gesture:AppStoreデバッグジェスチャーを有効化
- Enable Notes Debug Mode:メモデバッグを有効化
- Show Touches With Debug Info:タッチポイントデバッグを有効化
- Hide Respring Icon:リスプリングアイコンを非表示
- Vibrate on Raise-to-Wake:傾けてスリープ解除時にバイブを実行
- Play Sound on Paste:ペースト時にサウンド再生
- Show Notifications for System Pastes:システムペースト時に通知を表示
iOS 18.1対応について
Nugget 4.0ではiOS 18.1にも一部カスタマイズが対応していますが、実際にどれが使えるかは不明。
私の方で確認&使用できたカスタマイズとしては、以下のような物がありました。
- Device Subtype Preset:Dynamic Island有効化
- Enable Charge Limit:充電制限の有効化
- Disable Region Restrictions:シャッター音無効化(グローバル版準拠になるため、シャッター音量はメディア音量により決まり、ミュート時は無音となります)
- Enable Apple Pencil Settings Tab:Apple Pencil設定項目を表示
- Enable Action Button Settings Tab:アクションボタン設定項目を表示
- Set as Apple Internal Install:Metal HUDを全状況で表示するように
- Enable Apple Intelligence:Apple Intelligence有効化(Joinedまで確認)
- Lock Screen Footnote Text:ロック画面下部に好きなテキストを表示
- Show Build Version in Status Bar:iOSビルドナンバーをステータスバーに表示
- Enable Metal HUD Debug:Metal HUD UI設定を有効化
- Show Touches With Debug Info:タッチポイントデバッグを有効化
注意点
バックアップから復元機能を利用し、カスタマイズした「com.apple.MobileGestalt.plist」ファイルをデバイス側へ書き戻すという作業で実現されています。
こちらのファイルは失敗するとブートループを引き起こす可能性があるため、必ずその可能性があることを認識し、十分に注意して実行してください。
また、実行前には必ずデバイスのバックアップを取っておくようにしましょう。
Nuggetの使い方(準備編)
Nuggetは「Github」にて公開されており、最新版についてはこちらから確認&ダウンロードをしていただけます。
執筆時点の最新バージョンは以下の通りになっており、Windows版 / Mac版それぞれ自身の環境に合わせた方をダウンロード&解凍して使用します。
- Windows版:Nugget_Windows.zip
- Mac版(Apple Silicon):Nugget_macOS_arm.zip
- Mac版(Intel):Nugget_macOS_Intel.zip
準備① 必要なものをインストール(Windowsのみ)
Windows環境のみ、下記の「Appleデバイス」または「iTunes」をインストールしておく必要があります。
- Appleデバイス:Appleデバイス – Microsoft Store
- iTunes(Windowsのみ):https://www.apple.com/itunes/download/win64(Microsoft Store版は不可なため、こちらをインストール)
準備② 「iPhoneを探す」をオフにする
バックアップから復元を利用するため、実行するために「iPhoneを探す」をオフにする必要があります。
もちろん、これはNugget実行時のみオフにするだけで大丈夫で、実行後はオンに戻していただいて大丈夫です。
Nugget実行前に「設定アプリ > iCloud > 探す > iPhoneを探す」をオフにしてあげましょう。
準備③ MobileGestaltを入手
*MobileGestaltファイルはカスタマイズする対象のデバイスから取得する必要があり、アップデートや復元後には再取得してあげる必要があります。他デバイスのファイルを使用するとリンゴループに陥る可能性があるため、十分にご注意ください。
Nuggetを使用する際、デバイス入手した「com.apple.MobileGestalt.plist」というファイルを指定する必要があるため、まずはこちらのファイルを入手しましょう。
ファイルを入手するためのショートカットアクションが用意されているため、こちらを実行するだけの簡単作業。
追加したショートカットを実行すると許可するか?というポップアップが出現するので「許可」を選択。
その後ファイルの保存先を聞かれるので、iCloudドライブなど、PCにファイルを転送しやすい場所へ保存。
その後、保存された「com.apple.MobileGestalt.plist」をPC側へ転送しておきましょう。
準備④ MacでのNuggetの起動について
Macにて「Nugget.app」を起動する際、初回起動時にはダブルクリックでは起動することが出来ません。
そのため、右クリック > 開く > ポップアップで「キャンセル」を選択 > 右クリック > 開く > ポップアップで「開く」を選択…で起動してあげましょう。
また「Nugget.appは壊れているため開けません」となる場合、Nugget.appをアプリケーションフォルダへ移動後、ターミナルから「xattr -c /Applications/Nugget.app」を実行してください。
Nuggetの使い方(カスタマイズ・実行編)
カスタマイズしたい対象のデバイスをPCとUSB接続後、Nuggetを起動しましょう。
Nugget画面左上より、カスタマイズしたい対象のデバイスが選択されていることを確認し、更にHome画面上部からも対象デバイスが認識されていることを確認してください。
誤ったデバイスが選択されてしまっていると、リンゴループに陥ってしまう可能性もありますので、十分にご確認を…!!
ちなみにiOS 18.1を使用している場合は一部カスタマイズ対応となっているため、Supported!ではなく「Supported, YMMV.」と表記されます。
① カスタマイズ項目を選択
画面左より【Mobile Gestalt】、【Eligibility】、【Springboard Options】、【Internal Options】タブをそれぞれ選択し、各種適用したいカスタマイズ項目にチェック / 選択を行なっていきます(タブや項目は環境により一部なかったりする場合もあります)。
② カスタマイズを実行
Nugget画面左から「Apply」タブを選択し、「Choose Gestalt File」をクリック。先ほどデバイスから取得しておいた「com.apple.MobileGestalt.plist」ファイルを選択してください。
その後、「Apply Changes」ボタンをクリックして、実行します。これでカスタマイズが実行され、デバイスが再起動されて、Nuggetでの操作は完了です。
③ リスプリングで完了
デバイスが起動すると初期設定画面であり「Hello」が出現してる場合があります(データの初期化が行われたわけではありません)。
いつも通りロックを解除すると自動的にリスプリングが実行され、通常状態で起動しますので、これで完了。カスタマイズした項目が適用されているかを確認してみましょう…!
〆
iOS 18.1では使用できるカスタマイズ項目が限られているとはいえ、シャッター音無音化やApple Intelligenceなどについては利用可能となっていますので、この辺りが目当てだったという方には嬉しい対応となっています。
ただし、開発者であるLeminLimez氏からも特別な事情がない限りはiOS 18.0.1以下を推奨するとされていますので、事情がない限りはiOS 18.1よりもiOS 18.0.1以下を維持して遊んでいただく方がいいのかなとは思います。
コメント
Apple Intelligenceの日本語対応も来年4月以降なのでiOA18.1にアップデートは急がないが、iOS18.1になってもシャッター音の無効化できるようになったのは嬉しい!